昨日、東京都社会保険労務士会主催の外国人労働者の研修において、「インドネシアの国、国民性等」について説明がありましたので、備忘録として残しておきます。

インドネシアは、日本における技能実習生の中で、ベトナムに次いで2番目に多い国です。

今後もその数は増えることが予想されることから、インドネシアについて理解することは技能実習生とのコミュニケーション等においても有効だと思います。

まず、日本における技能実習生の数ですが、インドネシアから来ている技能実習生は、令和5年6月末の法務省のデータ( 在留資格「技能実習」総在留外国人国籍別構成比)では、58,478人(16.3%)とベトナムの185,563人(51.8%)に次いで多い人数となっています。

インドネシアという国は、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中で、GDP、人口、面積ともにその4割を占める大国です。

もう少し具体的にみてみると、インドネシアの国土の面積は、日本の約5倍、人口(2億7千万人)は日本の約2倍で、13,466の島々からなる島嶼国家です。

なお、インドネシアの人口は、インド、中国、アメリカに次いで世界第4位の規模です。

また、インドネシアの平均年齢は29歳と若く、日本(48歳)とは20歳近くの差があります。

世界最大のイスラム教徒の国

そして、インドネシアを理解するうえで欠かせないのが、インドネシアは世界最大のイスラム教徒の国であるということです。

イスラム教徒の礼拝は、1日に5回、朝4時半頃、11時半頃、15時半頃、18時頃、19時以降に行われます。

そして、金曜日は昼の1時間程度、モスク(イスラム協会)に行き礼拝をします。

3月10日頃から4月10日頃まではラマダン(断食月)とされ、日の出から日の入りまでの飲食が禁止されています。

インドネシアは、女性の社会進出が進んでいて、国会議席の3割が女性に割り当てられています。

また、大企業の経営者として多くの女性が活躍しています。

世界で1,2位を争う親日国

インドネシアは世界で1,2位を争う親日国です。

日本人の想像をはるかに超える日本愛好者が多いそうです。

そして、インドネシアでは第二外国語として日本語を教える高校が1700校もあり、日本語学習者の数は、中国に次いで2番目に多いそうです。

インドネシアが親日国である背景には、インドネシアの独立に日本兵が多数貢献したことが挙げられ、このことは今でもインドネシアの小中学校の歴史で教えられているそうです。

インドネシアの国民性

以下、インドネシアの国民性などについて列記します。

  • インドネシアの平均年収は約40万で、日本の10分の1程度
  • インドネシアは、350年間オランダの植民地であった
  • インドネシア人の名前には苗字がない(1文字の場合もある)
  • インドネシアには冬がない。(種を捨てるだけで、木になり実になる)
  • インドネシア人は、一般的に「熱いもの」を嫌い、「冷たいもの」を好む→ご飯の炊きたての熱い状態では食べずに、冷ましてから食べる
  • 暗記教育が中心で、理論的にものを考えるという教育があまりなされてない
  • 文章を書くのが苦手
  • 相談して物事を決めるのが好き
  • 自分の意見をあまり表明したがらない

インドネシアでのタブー

  • 左手で、食事や物の受け渡し、握手をしない(左手は不浄の手)
  • 豚等を食べない(イスラム教徒)
  • 人前で叱ったり、怒鳴ったりしない(体面を重んじる)
  • 相手の頭に触らない(特に子供)
  • 人前で怒ったり、叱ったりしてはいけない

インドネシアでは、部下を叱っている場面をほとんど目にすることはないそうです。インドネシアでは、「自らの感情をコントロールできる人こそが、社会的地位のある人」とれているからです。

インドネシアで尊敬される人は、和を尊び、協議と合意を重んじる(農耕民族的気質)人で、言動が常に穏やかであることが、洗練された態度とされているそうです。