本日、2024年度の公的年金額の改定について、ニュースリリースがありましたので、リリースの内容についてお知らせします。

2024年度の年金額

2024年度の年金額は、2023年度から2.7%の引上げとなります。

2024年度の年金額の例

2024年度
(月額)
2023年度
(月額)
国民年金※1
(老齢基礎年金)
68,000円
(+1,750円)
66,250円
厚生年金※2230,483円
(+6,001円)
224,482円

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額)は、月額67,808円(対前年度比+1,758円)です。

※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

【年金額の改定ルール】

年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっています。

物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定することが法律で定められています。

このため、2024年度の年金額は、名目手取り賃金変動率(3.1%)を用いて改定します。

また、2024年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が行われます。

よって、2024年度の年金額の改定率は、2.7%となります。

■ 参考:2024年度の参考指標

  • 物価変動率 :3.2%
  • 名目手取り賃金変動率 ※1 :3.1%
  • マクロ経済スライドによるスライド調整率 ※2 :▲0.4%

※1 「名目手取り賃金変動率」とは、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたものです。

◆名目手取り賃金変動率(3.1%)

= 実質賃金変動率
(▲0.1%)
(2020~2022年度の平均)
+ 物価変動率
(3.2%)
(2023年の値)
+ 可処分所得割合変化率
(0.0%)
(2021年度の値)

※2 「マクロ経済スライド」とは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもので、この仕組みは、2004年の年金制度改正により導入されました。

マクロ経済スライドによる調整を計画的に実施することは、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながります。

◆マクロ経済スライドによるスライド調整率(▲0.4%)

= 公的年金被保険者総数の変動率
(▲0.1%)
(令和2~4年度の平均)
+ 平均余命の伸び率
(▲0.3%)
(定率)

2024年度の国民年金保険料

国民年金の保険料は、2004年の年金制度改正により、毎年段階的に引き上げられてきましたが、2017年度に上限(2004年度水準で16,900円)に達し、引上げが完了しました。

その上で、2019年4月から、次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者(自営業の方など)に対して、産前産後期間の保険料免除制度が施行されたことに伴い、2019年度分より、2004年度水準で、保険料が月額100円引き上がり17,000円となりました。

実際の保険料額は、2004年度水準を維持するため、名目賃金の変動に応じて毎年度改定され、2025年度の保険料額は以下の通りとなります

2025年度2024年度
法律に規定された保険料額
(2004年度水準)
17,000円17,000円
実際の保険料額
(前年度との比較)
17,510円
(+530円)
16,980円
(+460円)
※2023年度
16,520円

在職老齢年金の2024年度支給停止調整額

在職老齢年金は、賃金(賞与込み月収)と年金の合計額が、支給停止調整額を上回る場合には、賃金の増加2に対し年金額を1支給停止する仕組みです。

支給停止調整額は、名目賃金の変動に応じて改定され、2024年度は以下の通りとなります。

2024年度2023年度
支給停止調整額50万円48万円

(参考)

物価変動に応じた改定ルールが法律に規定されている次の手当などは、 2023年の物価変動率(3.2%)に基づき、3.2%の引上げとなります。

2024年度の年金生活者支援給付金法に基づく給付

2024年度
(月額)
2023年度
(月額)
老齢年金生活者 支援給付金5,300円※
(+160円)
5,140円※
障害年金生活者 支援給付金(1級)
6,625円
(+200円)

(2級)
5,300円
(+160円)
(1級)
6,425円

(2級)
5,140円
遺族年金生活者 支援給付金5,300円
(+160円)
5,140円

※これは基準額であり、実際の金額は保険料納付済期間などに応じて算出されます。

2024年度の障害者などに 対する給付

2024年度
(月額)
2023年度
(月額)
特別障害給付金(1級)
55,350円
(+1,700円)

(2級)
44,280円
(+1,360円)
(1級)
53,650円

(2級)
42,920円
特別児童扶養手当(1級)
55,350円
(+1,650円)

(2級)
36,860円
(+1,100円)
(1級)
53,700円

(2級)
35,760円
特別障害者手当28,840円
(+860円)
27,980円
障害児福祉手当15,690円
(+470円)
15,220円

この他に、経過的福祉手当があります。

2024年度の母子家庭・父子家庭 などに対する給付

2024年度
(月額)
2023年度
(月額)
児童扶養手当
(全部支給の額)
(第1子)
45,500円
(+1,360円)

(第2子)
10,750円
(+330円)

(第3子以降)
6,450円
(+200円)
(第1子)
44,140円

(第2子)
10,420円

(第3子以降)
6,250円