最近よく耳にする「人的資本経営」とは、会社の4大経営資源である「人」、「物」、「金」、「情報」のうち、特に「人材」に重点を置いて経営を行うことです。

マーケティングの世界でも、「人」すなわち、従業員に着目したマーケティング手法として、「インターナル・マーケティング」という考え方があります。

「インターナル・マーケティング」では、お客様対応の最前線に立つ従業員満足度「ES(Employee Satisfaction)」を向上させることで、結果的にお客様満足度「CS(Customer Satisfaction)」を向上させる手法です。

特にサービスに関しては、商品のように目に見える形がないだけに、お客様はサービスの質の良し悪しを、サービスを提供する従業員で判断することになります。

サービスを提供する従業員の第一印象、サービスを提供する際の一つ一つのしぐさや動作、表情などを基に判断することになります。

すなわち、サービスを提供する従業員が最高のパフォーマンスを発揮できれば、お客様の満足度が向上するのです。

お客様の満足度が高くなれば、お客様はリピーターとなり繰り返しサービスを利用してくれるでしょう。

では、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できるようにするために、事業主はどうすればよいのでしょうか。

やはり、従業員の接客態度やスキルの向上とともに、従業員のモチベーションを引き上げることが重要です。

どんなに高いスキルを持っていても、サービスを提供するときのモチベーションが低ければ、接客態度やサービスの品質が低下し、お客様の満足度は低くなってしまいます。

従業員のモチベーションを引き上げるためには、従業員の処遇や職場環境を向上させることはもちろんのこと、何のためにサービスを提供するのかという目的を従業員に理解してもらうことが重要だと思います。

従業員満足度「ES(Employee Satisfaction)」を向上させることは、お客様満足度「CS(Customer Satisfaction)」を向上させるだけでなく、従業員の会社に対するロイヤリティ(帰属意識)を高め、離職を防止し、長期雇用につながる可能性も高くなると思います。