一般社団法人社労士成年後見センター東京が主催する「第12回成年後見人養成研修」を受講しました。

東京都社会保険労務士会は、年金・医療・介護など社会保障全般に関わる唯一の専門職である社会保険労務士が成年後見人を担うべく、一般社団法人社労士成年後見センター東京を立ち上げて、毎年成年後見人養成研修を実施しています。

そして、所定の要件を満たした社会保険労務士を「後見人等候補者名簿及び後見等監督人候補者名簿」へ登載し、家庭裁判所等へ成年後見人(後見等監督人)候補者として推薦を行っています。

成年後見人養成研修を受講して、今後専門職後見人として活動していく上で以下の点が勉強になりました。

  • 後見制度のベースとなる思想は「本人の意思をできるだけ尊重する」こと。
  • 後見制度には家庭裁判所が後見人を任命する「法定後見」と当事者の契約に基づき後見人を決める「任意後見」がありますが、後見制度においては「任意後見」が優先されること。
  • 「法定後見」、「任意後見」のいすれも、後見の効力が生じるのは後見の対象となる方が物事を十分に判断できない(法律的には「事理の弁識が十分ではない」)と診断された時からになること。
  • 法定後見の場合に、家庭裁判所が任命する成年後見人には親族が就任する親族後見人と専門職が就任する専門職後見人に分けられること。
  • 後見監督人は任意後見の場合には必ず選任されるが、法定後見の場合には必ず選任されるわけではないこと。
  • 専門職が後見人になるケースで、被後見人の資産が少ない場合は後見監督人が選任されないケースも多いこと。
  • 「おひとりさま」が増えていることもあり親族以外の専門職が後見人に就任するケースが増えていることから、専門職後見人の育成が急がれる状況にあること。
  • 後見人の報酬の目安が家庭裁判所によって示されている。後見人の基本報酬の目安は2万円で、管理財産額が高額になると報酬の目安も増加すること。

後見人の主な役割が被後見人の財産管理と身上監護であることから、特に財産管理の面ではファイナンシャル・プランナーとしての知識・経験なども活かせるのではないかと感じました。

成年後見人養成研修の概要

事前に配信される以下の講義(17コマ、30.5時間)を受講しました。

  • ガイダンス
  • 成年後見制度と社労士の関わり・成年後見制度の本旨と制度
  • 社労士成年後見センター東京が目指す成年後見制度と役割
  • 法定後見制度と各種手続き
  • 任意後見制度と各種手続き
  • 財産管理と財産継承
  • 身上監護・介護保険制度の概要
  • 高齢者・障がい者の理解と支援
  • 消費者保護制度の法制度
  • (事例研究)法定後見人の実務
  • 成年後見人死亡後の実務
  • (事例研究)任意後見
  • 保佐・補助の実務・成年後見における地域活動の進め方
  • 後見業務への心構え・後見人等の倫理
  • (事例研究)司法書士による成年後見業務の実際
  • (事例研究)弁護士による成年後見業務の実際
  • 成年後見業務に必要な法令の基礎知識

この成年後見人養成研修を修了したことにより、一般社団法人社労士成年後見センター東京が家庭裁判所に提出する「後見人等候補者名簿及び後見等監督人候補者名簿」へ名前が登載される要件を満たしたことになります。

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