私が愛読する「致知」5月号の対談記事に、画期的ながん治療法を開発したアメリカ国立衛生研究所主任研究員の小林久隆氏のことが載っていました。

この画期的ながん治療法「光免疫療法」はがん細胞だけを破壊して免疫機能を活性化するというもので、世界に先駆けて日本で承認されて、2021年1月から保険適用されているそうです。

ただし、現在保険が適用されるのは、頭頚部がんが再発し、従来の治療が効かなくなった方のみだそうです。

この治療法のもう一つの特徴は、治療時間がものすごく短い点です。

点滴による投薬が2時間、その翌日に近赤外線を1時間程度照射して治療は終了するそうです。

費用も高額療養費制度が適用されるため、月額15万円から30万円くらだそうです。

これまでのがん治療は外科手術、抗がん剤、放射線による三大治療が中心でしたが、これらの治療はがんだけでなく、正常な細胞や臓器も傷つけてしまうという副作用がありました。

光免疫療法は、正常な部分をほとんど傷つけず、光を使ってがん細胞だけを破壊することから副作用がほんとどないそうです。

更に、光免疫療法が素晴らしいのは、最初に発生した原発がんを攻撃して破壊するだけでなく、がんが再発するのを防ぎ、転移することも防ぐという点です。

この画期的な光免疫療法がすべてのがんに適用されるようになれば、現在日本人の死因の1位を占めるがんは「風邪」などと同じレベルの病気になるのではないかと思いました。

記事の中では、鈴木氏がこの治療法を確立するまでご苦労されたことなども紹介されていましたが、小林氏はこんな言葉を述べられていました。

物事を成就できるかどうかを分けるのは、やはりしつこさ、諦めないことだとこれまでの経験を通して実感しています。

諦めずに苦しみ続けるのは辛いですが、諦めた瞬間にゲームオーバーですからね。

そこはすごく大事なことだと思います。

人間学を学ぶ月刊誌「致知」2024年5月号より